本日の講義でお話しますが、Hofmann選択性が主生成物になる子は
1) かさ高い塩基を使用したとき(t-BuOKなど)
2) 脱離能が小さく(例えば、-F, -N+Me3)、E1cB的に反応するもの
ですが、もう一点、「環状の化合物では注意が必要」です。
例えば、次の2つの反応は、どういう状態で脱離可能となるのでしょうか?
二次元的な構造式の絵を見ていても理解し難いので、分子模型を組んでみて、よく考えてみましょう。
【学生諸君へ】
素人考えですが、人間が「2次元のもの」(例えば、パソコンの画面、スマートフォン、テレビの映像、絵画)を見て、3次元の空間が映されていると認知するには、(遠近法とか、遠くのものはぼやけているとか、詳しいことはわかりませんが)これまでの経験をもベースに、足りない1次元分の情報を頭の中で補い、自動的に3次元の情報を再構築しているのではないかと思います。分子の構造も3次元ですが、絵画より難しいことに、人間が勝手に決めた単純な線の組み合わせで、2次元的に描かれているわけです。だから、足りない1次元分の情報を頭の中で補うための経験がないわけですから、2次元の構造式を見て、3次元の分子構造を思い浮かべられないのは、当然のことなのです。だからこそ、自分で分子模型を組み立て、眺め、3次元的に分子を見る経験をすることが、足りない1次元分の情報を脳で補うためにとても大切なんだろうと私は思います。是非、分子模型を使ってください。
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