村上君の色素内包カーボンナノチューブ光触媒に関する論文がJournal of American Chemical SocietyのCommunicationに掲載されました。
【詳細】
Enhanced Photosensitized Hydrogen Production by Encapsulation of Ferrocenyl Dyes into Single-Walled Carbon Nanotubes
Noritake Murakami, Hideaki Miyake, Tomoyuki Tajima, Kakeru Nishikawa, Ryutaro Hirayama, and Yutaka Takaguchi
J. Am. Chem. Soc., 2018, 140, 3821–3824.
DOI: 10.1021/jacs.7b12845
【ポイント】
従来、カーボンナノチューブに内包された色素の光励起状態を経由した反応としては、エネルギー移動を経た蛍光波長変換しか知られていませんでしたが、色素の分子デザインを工夫することで、光誘起電子移動を経た光電変換が可能であることを、世界で初めて報告しました。
これにより、色素内包カーボンナノチューブを使った、光触媒(CO2フリー水素製造)、人工光合成、太陽電池、センサーなどへの応用研究が大きく発展することが期待されます。
また、カーボンナノチューブの光電変換機能の観点から、従来、光電変換素子への利用が難しかった直径の太いカーボンナノチューブを利用することを可能とした点において、画期的な成果です。