オゾン層の破壊を防ぐためにフロンをどうしてどうなったか?

(このページは、第2回の講義の資料になっています)

1995年のノーベル化学賞は、大気化学、特に、オゾンホールの生成メカニズム解明の功績をたたえ、Crutzen博士、Molina博士、Rowland博士の3名に送られた。

エアロゾルの行方なんて、誰も考えなかった時代に、地道な研究で新しい分野を切り拓き、フロンがオゾンホールの原因になることを明らかにした物語は、とっても感動しますので、みなさん是非調べてみて下さい。実験室の中に籠もるのではなく、外に飛び出す化学者もいるんです。(cf. ローランド博士の講演スライドとメモ

こういった研究がきっかけとなって、1987年モントリオール議定書が採択され、フロンが規制されることになった。この効果は絶大で、その後のオゾンホールの観測結果を見れば、オゾン層破壊を食い止める一定の効果があったことは間違いない。すなわち、環境化学は、我々人類にとって欠くべからざる学術領域である証左として、みなさんに講義で説明しておくべき話題と考えています。

ただ、一方で、モントリオール議定書以降の、日本の状況と世界の状況を比較すると、DDTのときと同様な、科学的考察を欠いたフロンへの対応について反省すべき点も多くある。中西準子先生のホームページの記事を参考までに紹介しておきます。

「“脱フロン”という方針は、適切だったのか?そもそも、“脱フロン”とは何だったのか?-オゾン(3)-」

それから、今、フロン対策は曲がり角かも?っていう記事が2018年のNature紙に紹介されました。科学の広場でも取り上げていますので御覧ください>大気中のCFC-11をゼロにできるのだろうか?

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