質問への回答の仕方(その2)

想定される質問は何かを考え、準備をしておこう。

事前に回答を考えたり、質問用のスライドを準備しておくことで、対応できることが増えます。 
準備しても必ずその質問をされるとも限りませんが、備えあれば憂いなし
もちろん、全ての質問を予測することは難しいです。ではどのように対策すれば良いでしょうか?

(1) 学会発表など過去どんなことを聞かれたのか?
「 過去に学会でこういう質問を受けた 」ということに関しては、再度同じことを聞かれるという可能性があります。

(2) 質問パターンを考慮して自分で想定される質問を考えてみる
 難しいようですが、自分の研究結果や考察の部分について、「それはなぜ?」という問いを3回繰り返してみてください。本質や根本的原因が見えてくることがあります。これはTで始まる自動車会社が発案した問題解決と再発防止を目的とした分析方法です。試してみてください。

(3) よくある質問パターンと回答方法
質問の内容を理解することが大事だとお伝えしていますが、Yes or Noで回答できないものも中にはあります。
よくある質問パターンは分類すると4つでしょうか?以下に記しておきますので、参考にしてみてください。

・確認型
~ということですか? 回答例 はい、おっしゃる通りです/いいえ、これは〜〜〜〜。
・詳細型
~について教えてください。回答例 こちらは…(詳細説明)
理由
〜はなぜでしょうか? 回答例 理由は〜〜〜です。
・意見型
それは~と思いますがいかがですか? 回答例 貴重なご意見有難うございます。その点に関しては〜〜〜(同意or反論)


(4) 友人や研究室の仲間の前で発表して質問してもらう
 自分で考えつかないなら、研究室の仲間の前で発表をして本番を想定した質問を研究室の仲間にだしてもらったりすることも有効です。発表練習や予聴会というのはゼミでやっているかもしれませんが、研究室のゼミとは別の機会に学生さんだけで発表練習会を開催するのも良いでしょう(今はZoomだのTeamsだのありますし、家にいても気軽にできますよね)また、他の研究室の友人の前でプレゼンをしてみるのも有効的で、案外、専門外の友人から的を得た良い質問を喰らって、タジタジになることもあります。(特に卒論・修論は学会と異なり、必ずしも専門分野が遠い先生からも質問を受けますので対策になるんじゃないですかね?)。

 余談ですが、私が学生の頃、卒論の前日の夜に先輩と一緒に自分の発表のOHPシートをもって各研究室をまわり、各研究室の先輩の前で発表をするという儀式?慣習?がありました。これは教授の先生もこういうことが行われていることはご存知だったようで、「あとは先輩と夜しっかり練習やってね〜」とニコニコして帰宅されていったものです。
 どんな感じだったか書いておきますと、各研究室には映写機がセットされていて、先輩が実験椅子を並べて待機しているんです。ノックをして入室し、明日の卒論の発表をしますので、聞いてください。といって、時間を測りながら他の研究室の先輩の前でプレゼンをするわけです。発表後は、差し棒(今でいうポインター)の示し方がなっていないとか、声が小さいとか色々助言を受けます。その場では質問も当然されます。研究室外の人の前というのは意味がないように感じる方もいらっしゃると思うのですが、2つ良い点があったかなと思います。1つは、普段接点の少ない人の前で話すので、本番での場慣れ。つまり、本番での緊張対策になること。2点目は、以外と専門外の研究室外の先輩から、専門としてやっている人では思いつかないような核心に迫る質問を受けたりするということ。もちろん回答できないこともあるんですが、どう回答したらええんかなというのを一緒についてきてくださった研究室の先輩、質問してきた研究室外の先輩と考えたりして、対策をしたものです。先輩も自分もB4のときに練習を見てもらったので、今度は後輩に返す番だと待機してくださっていて、自分が受けた恩を後輩に返すという良いシステムだったように感じます。

(5) わからないことは素直に認めつつ、質問者に誠意を見せよう

 質疑応答では、予測不可能な質問を受けたりすることもあります。質問された内容について、完全に把握していない場合は、分からないことを素直に認めることも重要です。テンパってしまいよくわからないまま無理矢理回答して、失言や間違った回答を行うことは避けた方が良いかと思います。また、質問が出ることはあなたの研究への関心が高いことを示しています(つまらなければ質問なんてしません)。またこれまで考えもしなかった観点からのアドバイスともとれるでしょう。 ですから、質問に対して完全な回答ができない場合、「わかりません」と一言だけでなく、「ありがとうございます.そのような可能性は考えておりませんでした。たしかに〜〜の面で重要かと思われますので、今後検討してみます」と誠意も見せ対応することが大切かと思います。

プッシュ通知を