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乳化技術

01.Microfluidic device

Y字型やT字型などの分岐部を有するマイクロ流路に水相と油相を送液し、分岐部で分散相を連続相で剪断することにより単分散エマルション(W/OエマルションやO/Wエマルション)を調製することが可能である。また連続相流速などを変化させることにより液滴径の制御も可能である。

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02.複合乳化

マイクロ流路を利用した単分散エマルション調製には流路表面のぬれ性が大きく関与しており、W/Oエマルション調製時には疎水性表面、O/Wエマルション調製時には表面が親水性表面である事が望ましい。適したマイクロ流路を連結することで単分散な複合エマルション(W/O/WエマルションやO/W/Oエマルション)を調製することが可能である。

03.転送温度乳化

酸化エチレン鎖を親水基とする非イオン性界面活性剤を用いてエマルションを調製すると、その界面活性剤の溶存状態が温度によって変化するため、ある温度を境に連続相と分散相が入れ替わる(転相する)現象が見られる。転送温度付近では油水間の界面張力が著しく低下しているため、非常に小さなエネルギーで乳化を行うことができ、手撹拌でナノサイズの液滴を調製することが可能である。

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材料調製プロセス

04.分散重合により単分散ミクロスフェア調製

分散安定剤として生分解性高分子であるポリアスパラギン酸およびポリコハク酸イミド誘導体を用いた分散重合により、単分散なミクロスフェア調製を行っている。重合条件を変更することで、粒子径および粒子径分布を制御することが可能である。

05.ミニエマルション重合による単分散ナノスフェア調製

ミニエマルション重合では、液滴内部の核形成が優先的である。すなわち、ナノエマルションの個々の液滴が、それぞれナノ反応場として振る舞うため、各液滴の大きさや組成を反映した高分子ナノ粒子を生成することができる。更に、転送温度乳化法と組み合わせることにより、単分散ナノスフェアの調製が可能である。

06.マクロモノマー法を用いた高分子ヘア粒子調製

高分子鎖構造中に反応基を有するマクロモノマーを用いた分散共重合により、微粒子表面に高分子鎖を持つヘア粒子調製を行っている。微粒子表面の高分子鎖に機能を付与することで、様々な機能性微粒子の調製が可能となる。

07.架橋メラミン相分離法によるサブミリカプセル調製

二重円管式のマイクロ流体デバイスを用いて、粒径が大きく単分散な油滴(~1 mm)を調製し、架橋メラミン相分離法を利用して適切な条件でカプセル化することにより、単分散サブミリカプセルを調製することが可能である。またカプセルサイズが大きくなるにつれ必要とされる力学的強度も大きくなるため、現在は力学的強度に関する検討も行っている。

08.架橋メラミン相分離法による穴あきカプセル調製

架橋メラミン相分離法では、カプセル膜形成の足場となる親水性界面活性剤の油水界面への吸着がカプセル膜形成に関与している。そこで油水界面への吸着を適切に阻害することにより、表面に穴の空いたカプセル調製が可能である。また、穴の被覆率を制御することも可能である。

09.ブロック共重合体を用いて内部構造制御された微粒子調製

親水鎖と疎水鎖からなるジブロック共重合体はそのバランスを変えることで容易に溶解性(水溶性, 油溶性)を制御することが可能である。それらを界面活性剤として用いてW/O/Wエマルションを調製し、油相溶媒を蒸発除去すると微粒子が得られる。エマルションの調製条件を変更することで得られる微粒子の表面および内部構造を制御することができる。

10.ミニエマルション重合によりナノカプセル調製

ミニエマルション重合では液滴内部の核形成が優先的である。ナノエマルションの個々の液滴が、それぞれナノ反応場として振る舞うため、各液滴の大きさや組成を反映した高分子ナノ粒子を生成することができる。更に、ミニエマルション重合時に拡張係数を基とした平衡配置理論を適用し、ナノサイズのカプセル調製に関する検討を行っている。

11.界面制御ラジカル重合法によるマイクロカプセル調製

界面活性能および重合開始能を有するTEMPO誘導体を用いてO/Wエマルションを調製し、懸濁重合を行っている。この手法では界面近傍で制御ラジカル重合が進行すると考えられるため、分子量が均一な高分子からなるマイクロカプセル調製が可能であると期待される。

12.光重合法による単分散マイクロゲル粒子調製

表面が疎水性のマイクロ流路を用いることで単分散な水滴が生成される。この水滴の中にあらかじめ原料(モノマー・架橋剤・光重合開始剤)を添加しておき、生成されている水滴にUV照射を行うことでマイクロサイズの単分散ゲル粒子を連続的に調製することができる。

13.複合乳化液滴からのリポソーム調製

リポソームはリン脂質を主体とする脂質二重膜の閉鎖小胞体である。マイクロ流路を利用して単分散W/O/Wエマルションを調製し、中間相(油相)を蒸発除去することで直径が数十マイクロ程度の単分散ジャイアントリポソームを調製することができる。

14.超高圧処理によりゲル化および製膜

ポリビニルアルコール(PVA)水溶液に超高圧処理を施すことによってヒドロゲルを得ることができる。超高圧処理時の形状がそのままゲル形状に反映され、単時間で任意の厚みを有するゲル膜を作成することができる。

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高温高圧プロセス

15.亜臨界水を用いたグリセリン分解

石油代替燃料としてバイオディーゼル燃料(BDF)が注目されている。BDF生産時の副生成物であるグリセリンは現在供給過剰状態にあり、有効な用途が見つかっていない。そこで本研究室では亜臨界水を用いてグリセリンを分解し、乳酸を得ることを目的に実験を行っている。

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応用研究

16.酵素法によるバイオディーゼル生産

菜種油を原料に、アルコール又はその他のアシル受容体とのエステル交換反応を行うと、バイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)が得られる。従来では塩基触媒を用いて反応を行うが、本研究室では生体触媒である酵素を用いたBDF生産の検討を行っている。

17.ポリ乳酸ナノ粒子を用いたDDS-光線力学的治療への応用

光線力学的治療(PDT)とは、外部から腫瘍近傍のみに光を当てることで局所的な抗癌効果を期待する治療の一つである。疎水性の高いPDT用薬物を、生分解性高分子であるポリ乳酸(PLA)鎖と生体適合性の高いポリエチレングリコール(PEG)鎖から構成される高分子ナノ粒子に封入することで、血中滞留性を向上できる。また、ナノ粒子の直径を100 nm以下に設計することで、薬物を腫瘍近傍に集積させる効果が得られる。以上の様なナノ粒子設計から、PDTの唯一の副作用とも言える光過敏症の低減が期待される。

18.マイクロゲル粒子を用いた進化分子工学

目的とする酵素遺伝子に対してランダムに変異を入れ、膨大な数の遺伝子ライブラリーを作成し、その中で高活性な機能を有する酵素遺伝子を選択的に得る(セレクション)ことで新規な酵素の創出を行うことができる。このような進化分子工学サイクルの構築のために、マイクロゲル粒子を利用し、宿主細胞間の相互作用を抑制することで、更なる高度なセレクション法の構築を行っている。

19. ナノベシクルを利用した遺伝子デリバリー

内層と外層の組成が異なる非対称ナノベシクル調製に関する検討を行っている。内部に遺伝子を封入してやることで、遺伝子を保護することができ、細胞内への遺伝子導入率を高めることが可能になると考えられる。

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