農業廃棄物からのバイオチャーの調製
○概要○
- 現在、日本では年間約1300万トンの稲わらやもみ殻といった農産廃棄物が発生しています。そのうち堆肥、飼料などに利用されているのは約30%で、それ以外のほとんどはそのまま土壌にすきこまれたり、焼却処理されているのが現状です。
また、処分には温室効果ガスであるCO2が排出されるため、農産廃棄物の有効利用への対策は重要な課題であると言えます。
そこで、バイオチャーと呼ばれる炭に注目します。
バイオチャーは、バイオマスを嫌気性条件下で熱分解することで得られる炭素の塊で、数百年・数千年分解されないため、大気中のCO2を削減することができます。さらに、バイオチャーは土に混ぜることで土壌の改良材としても優れた効果を発揮することが知られています。
この研究では、高い収率かつ土壌改良材として優れた性質を持つバイオチャーの調製を目的としています。
○実験概要○
- 大麦わら・稲わら・トウモロコシ葉,茎・もみ殻など様々な原料を使用し様々な条件でバイオチャーを調製し、収率や性能を評価し優れた性能を持つバイオチャー調製の条件やその特性などを検討しています。
調製されたバイオチャーは、比表面積の測定・水分吸着率の測定・pH測定・リン濃度測定など様々な方法で分析し評価を行っています。
○バイオチャーができるまで○
- 原料となるバイオマス(大麦わら、稲わら、トウモロコシの葉など)を自然乾燥させ一定のサイズにしたものをを用意します。
110℃で乾燥させた後、400〜500℃で炭化させバイオチャーを調製します。

バイオチャー調製工程概略図
上図のような工程で、材料、炭化温度や冷却時間などの条件を変化させバイオチャー調製に最適な条件を調査しています。
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