環境高分子材料学研究室へようこそ

高分子材料で21世紀の地球環境を救います
 プラスチックや繊維などの高分子材料は、日常生活を支える材料として不可欠ですが、近年では、合成技術を巧みに駆使して分子をデザインしたり、集合状態の構造を制御したりすることによって高度な機能発現が可能になる材料として注目を集めています。植物由来のバイオマスプラスチックや超高耐久性スーパーエンプラなどこれからの地球環境保全に必要な新規材料の開発やエネルギーコストの小さいエコ調製法の確立などに取り組んでいます。

人間を含めた自然環境の進化の歴史は、高分子が持つ多様性に基づいているといっても過言ではありません。
高分子が創る三次元的な魅力ある世界で一緒に研究をしてみませんか?

研究内容紹介

平成26年度の主な研究プロジェクト
1. 高分子材料の高次構造制御による高性能化(高次構造制御技術の開発)
☆高性能・多機能をもつ新しい高分子材料を創り出すには?
⇒重合と同時に合目的な高次構造を創り得る重合結晶化を利用する。現在,らせん結晶,ウィスカー,ミクロスフェアー,毯栗状微粒子などユニークな高次構造の材料が得られている。傾斜組成やブロック組成を有する共重合ウィスカーもでき始めた。

2. 高次制御重縮合技術の開発(環境低負荷型高分子合成法の開発)
☆一次構造から高次構造までを自在に制御するには?(インテリジェント重合法)
⇒反応誘起型オリゴマー相分離を利用すると,成分分別重縮合,連鎖配列制御重縮合,ケモセレクティブ重縮合,非等モル環境下での高分子合成法,多重自己組織化重縮合など,新しい重縮合概念が創出される。修飾反応を介さない直接重合法や分子鎖の配向を制御した高次構造制御法の開発を行っている。

3. 新規耐久性高分子の合成
☆究極のリサイクルプラスチック材料を目指した,自然界でも壊れないスーパープラスチックの開発法は?
⇒分別・回収・再利用を前提とし,芳香族高分子にフッ素原子を導入し,新たな機能・性能を付与する。

4. 生分解性高分子の高性能化
☆環境を助ける微生物分解性高分子の物性を向上させるには?
⇒成形加工時に起こる流動誘起結晶化の機構を理解し,潜在能力を最大限に引き出す。多彩なモルフォロジーの発現メカニズムの解明と高次構造制御法の確立。

5. 環境に負荷のかからない高分子合成法・反応法の開発
☆マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル性を向上させるには?
⇒鎖延長反応の高効率化や原子効率の向上。リサイクル過程で低下した分子量を効率よく回復する。
⇒自己修復能などを有する末端修飾型ポリエチレン・ポリエステル材料の開発など。

6. 高分子鎖の絡み合い制御による高分子材料の機能・性能発現
☆「かたち(直鎖状・環状etc.)」や「絡み合い(結び目)」が高分子物性をどう支配する?
⇒環状高分子の結晶化挙動の観察を通した、高分子結晶化におけるトポロジー的性質の役割の解明。

7. 環境に負荷のかからない高分子材料の開発
☆石油などの化石資源に依存しない環境低負荷型高分子材料の開発のためには?
⇒バイオマスを原料としたエンプラ代替を指向した芳香族ポリエステルの合成と高次構造制御。

研究室の歴史


主な出来事をまとめてみました!
Date
Events
平成6年10月
1994年10月
「環境理工学部」が岡山大学に新設
山下教授(現名誉教授)によって研究室発足
平成7年4月
1995年4月
木村講師(現教授)、着任
平成15年6月
2003年6月
木村先生、繊維学会賞受賞
平成15年10月
2003年10月
木村先生、教授昇進
平成16年3月
2004年3月
山下教授、ご退官
岡山大学名誉教授に
平成16年9月
2004年9月
山崎講師(現准教授)、着任
平成19年5月
2007年5月
山崎先生、平成18年度高分子学会研究奨励賞受賞
平成19年6月
2007年6月
平井義人君(平成17年度修了)、繊維学会論文賞受賞
平成19年6月
2007年6月
山崎先生、米国ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校へ留学
(平成20年3月帰国)
平成25年11月
2013年11月
山崎先生、平成24年度関西繊維科学研究奨励賞受賞
平成26年4月
2014年4月
木村先生、高分子学会中国四国支部長に
平成27年4月
2015年4月
木村先生、学部長に

卒業生の主な就職先

宇部興産,三菱化学,三菱樹脂,関西ペイント,日本毛織,クラボウ,ショーワ,KRI,水菱プラスチック,日東電工,日本ペイント,ユニチカ,米国Rice大学,独ライプニッツ高分子研究所,公務員(岡山県警,市役所),住友化学,カネカ,バンドー化学,ポリプラスチック,フジシール,大倉工業,日本食研,日亜化学,積水化学,日本触媒,坂田インクス,インクテック,クラレ,ジャパンゴアテックス,エフピコ,三ッ星ベルト・・・・など。

学術交流

国内外の学会
・高分子学会(年次大会、討論会、ポリマー材料フォーラム)
・繊維学会(年次大会、秋季大会、夏期セミナー)
・アメリカ化学会(年次大会、部会シンポジウム)
高分子学会支部研究会(中国四国地区支部若手研究会、関西地区高分子研究会)
岡山地区高分子懇話会講演会
中国鄭州大学との学術交流